高校・専門学校・短大卒・大学中退の方のシンガポールでの就職は、四大卒の方に比べ、圧倒的に不利になってしまう覚悟が必要です。特に新卒の方はほぼ不可能です。最大の理由は就労ビザ取得の困難さです。
シンガポールの場合、就労ビザには幾つかの種類があり、大きく分けてEP・Sパス・ワークパーミットの3種類があります。
そのうちEP・Sパスが日本人が通常取得(ワークパーミットは出稼ぎ外国人向けで日本人は取得不可)するビザで、EPとSパスでは審査基準が異なります。
EPは学歴・職歴・給与額など主に取得する人物で審査されますが、Sパスは就職する会社のシンガポール人・永住権保持者の社員の人数に応じて、採用できる人数が決まっています。
短大卒・専門学校卒の方がEPを取得するには、相当な高給($6500程度以上・約50万円)で無ければ絶望的であるのが現状です。従って、Sパスでの就職になる可能性が高いのですが、Sパスはその企業のシンガポール人従業員数に応じた採用枠が決まっており、その採用枠を使い切っている企業が多く、また社員数数名の小規模な企業はそもそもSパスの採用枠を持っていません。
こうした現状から、短大・専門学校卒の方の就職は、Sパスの枠を持っている数少ない企業に限定されてしまい、必然的に求人の選択肢が大幅に狭まってしまうことになります。日本人に対する求人のうち、Sパス取得が可能な求人は全体の1割以下が体感です。
調理師や美容師、看護師といった職の方以外、特に四大卒と競合してしまう職種においては、シンガポールでの就職は相当困難になります。
四大卒未満の学歴の方には、シンガポールでの就職だけでなく、近隣諸国(マレーシア・インドネシア・タイ・ベトナム)での就職も視野に入れることをお勧めします。シンガポールに比べて学歴条件が緩いことが理由です。
なお高卒や大学中退(高卒扱い)の方は、専門卒・短大卒の方に比べ、更に不利になります。
海外で働きたい方は学歴はとても大切です。就労ビザや永住権取得において、四大を卒業しているかどうかは先進国になればなるほど重視されるポイントになる傾向があります。グローバル・ボーダレス社会になり、人の行き来が盛んになるということは、各国は自国民の雇用を守る為に、自国で働く外国人により高いレベルを要求するようになるでしょう。
高校卒業後に語学留学を考えている方
「日本の大学に進学しても意味が無い、それなら高校卒業後、語学留学をして英語を身につけ世界で活躍したい」 そう思われる方も最近は少なくないようです。
しかし、先に述べたように、海外で働くには学歴は日本以上に大切になります。また経験・スキルも大切です。就労ビザを発行する目安として最もわかりやすいのが学歴であり、また経験・スキルに応じて支払われる給与額だからです。
その為、将来海外で活躍したいと考えているのなら、まずは大学進学を最優先に考えてください。シンガポール留学後にシンガポールで就職できた方はみなさん口を揃えて「大学を卒業しておいて良かった」と言います。
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