2) 語学学校とは?~語学学校は英会話スクールではありません【必読】

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皆さん、語学学校とはどういう学校だと想像しますか?

英会話が充実している学校に通いたい

皆さんから頂くご希望で多いのが「英会話が充実している学校」です。
日本で英語を学ぶというと「英会話教室」が一般的なイメージだと思います。
しかし「語学学校」は「英会話教室」ではありません。

語学学校とは、日本の中学・高校の英語授業 + 英会話教室の授業、これを足したような授業というのが一番イメージが近いかもしれません。あるいは、自動車学校に例えるとわかりやすいかもしれません。
自動車学校では、学科教習(交通規則・安全知識など)も技能教習(運転技術)も学びます。

街の中で、車を運転するには、技術だけではダメで、交通ルールも知らなければ道路は大混乱です。
英語も同じ、理論と実践、この2つをしっかりと身に付けることが、英語上達の鍵になります。
どちらが欠けても、アンバランスになってしまい、すぐに上達の壁に当たり、伸び悩んでしまいます。

一般的な語学学校の授業は、テキストブック(教科書)を基本に、「文法」 「単語・熟語」 「読む」 「書く」 「聞く」 「話す」を総合的に学びます。自動車学校の学科に当たるのが「文法」や「単語・熟語」、実技に当たるのが、「読む」 「書く」 「聞く」 「話す」 です。

テキストブックは世界中の語学学校で広く使用されている市販のものを使用する語学学校がほとんどです。
その為、テキストブックを基本に授業を進める学校の場合、授業カリキュラムは基本的に同じです。

多くの語学学校で使われているテキストブックは以下の3種類です。いずれもイギリスの伝統ある英語教材で、イギリスはもちろん、オーストラリア・ニュージーランド等の語学学校で広く使用されています。
New Headway(オックスフォード大学出版局)
New Cutting Edge(ピアソンロングマン)
New Inside Out(マクミラン)

本当に出来ないのは英会話だけ? 読むこと・書くことは?

でも、読むことや書くことは何とかなっても、英会話は苦手だから、やはり英会話中心の学校がいい・・・
との声もよく頂きます。
確かに英会話が苦手な日本人は多いですが、実際、苦手なのは「話すこと」だけでしょうか?
書くことはどうでしょうか? 読むことはどうでしょうか? 聞くことはどうでしょうか?

話すことは、相手が目の前にいる為、即答しなければなりません。
その為、自分が出来ないという事実に気付きやすいのが「話す」、そして「聞く」です。
一方、「読む」「書く」は、相手が目の前にいないので、時間に余裕があります。
英語のホームページを読む時、辞書を使って知らない単語を調べながら、時間をかけて読めば、ある程度は理解出来てしまいます。書くのも同様です。時間をかけて、辞書を使ったり、オンライン翻訳を使って、なんとか伝えたい文章を作ることは出来ると思います。

しかし、それで本当に「なんとかなる」と言えるでしょうか?
実際、仕事で英語を使う時、仕事内容にもよりますが、日々の業務では、「聞く」「話す」より、Eメールを「読む」「書く」ことが中心の仕事はかなり多いと思います。その時、1通のメールを理解して返信するのに、何時間もかけていては、仕事になりません。

「聞く」「話す」同様に、辞書をほとんど使わずに、ざっと読んで理解、伝えたいことも、ざっと書いて送信する・・・
これが出来て初めて「なんとかなる」と言えると思います。

もし旅行で最低限なんとかなる程度のサバイバル英語さえ身に付ければ十分・・・という方なら、中学レベルの文法知識(自分で総復習)+英会話練習のみでも良いと思いますが(あえて語学学校に行く必要もないでしょう)、それ以上に上達したいという方であれば、「文法」「単語・熟語」「読む」「聞く」「書く」「話す」を総合的に身に付ける語学学校の授業システムは理に適ったものである・・・と思います。

英会話を上達させるには? 語学学校+αの学習が大切

会話、特にスピーキングは個のコミュニケーションのため、語学学校のグループレッスンで上達させるには時間がかかります。1対1で話す時間は語学学校の授業ではほんのわずかに過ぎないからです。

英会話を上達させるには語学学校以外の時間で英語をたくさん話す機会を設けることですが、最も効率的かつ低予算でできるのは日本でもおなじみのオンライン英会話です。オンライン英会話は1コマ20分程度の短い単位なので、1日1-2コマ程度を留学中も毎日続けて見てください。1日2コマで1万円程度です。

但しただオンライン英会話を毎日しているだけではなかなか上達しないと思います。会話の上達は自分が話したいテーマを決めて取り組むことです。事前にその日に話す内容を用意(センテンスを用意・知らない単語を調べる等)、しっかりと準備してからレッスンに臨むことが上達のポイントです。そしてレッスンで学んだ内容を留学生活で実践する、この繰り返しが英会話上達の秘訣です。

語学学校だけでは実践の力は上達しない→英語のペーパードライバーから卒業しよう

語学学校で何時間、何ヶ月も勉強しても、思うようにはなかなか上達しないと思います。日本に住んでいて英語を実践で使えるようにならない最大の理由は、「実践」の機会がないからです。

これも自動車学校を例にするとわかりやすいでしょう。自動車免許をとっても、実際に運転しなければ、いつのまにかペーパードライバーになってしまいます。また自動車学校内のコースでどれだけ練習しても、路上とは環境が大きく違います。語学学校は自動車学校です。語学学校で必要な知識を身に付け、語学学校の外で実践する、この繰り返しがあってこそ、英語の実践力は身に付きます。

母国語である日本語の漢字でさえ、使わなければ忘れてしまいます。計算も算数レベルなら普段の生活で使っているので忘れませんが、数学レベルになると実践の機会が無いので、忘れてしまっている人も多いと思います。英語も全く同じです。

なかなか実践の英語が上達しない・・・と悩んでいる留学生に話を聞くと、語学学校以外の場での実践が足りないケースが圧倒的に多いです。留学の最大のメリットは、実践の場がたくさんあることなのに、それをいかしきれていない、留学しておきながら、とてももったいないと思います。

クラスメイトと授業後に遊びに行くだけでも勉強になります。英語で趣味の習い事をしたり、サークルに入るのも良い方法です。街に出れば英語の世界です。ぜひ実践の場で使うことを目標にしてください。これが英語の実践力を伸ばす唯一の方法だと思います。英語のペーパードライバーから卒業しましょう。

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